
尼崎市にある富松神社は、1250年以上の歴史を持つ由緒ある神社です。その起こりは、奈良時代の僧・行基がこの地の人々を指導し、猪名野笹原を開拓して稲作を始めたことに遡ります。
地域の守り神として、神様と仏様をお祀りしたのが富松神社の始まりと伝えられています。
時代を超えて続く信仰
平安時代には、藤原摂関家の荘園を守る鎮守の社として栄えました。
しかし、戦国時代に入ると戦火に何度も巻き込まれ、社殿や堂塔が焼失。
そのため、当時の面影を残す建物は現在では見ることができません。
江戸時代になると、尼崎藩主・松平遠江守によって特別な庇護を受け、公の厄災除けの祈願所として栄えました。
しかし、第二次世界大戦後の社会の変化により、一時は神社の基盤が揺らいでしまいます。
それでも、地域の人々の熱い信仰心によって、何度も復活を遂げてきました。
そして、1995年の阪神・淡路大震災の際にも被害を受けましたが、この時も地域の人々の助けにより修復され、現在ではその損傷の跡は全く感じられません。
ご利益と主祭神
富松神社は、さまざまなご利益があることで知られています。
- 家内安全
- 厄除開運
- 事業発展
- 縁結び
- 子授け・安産
- 子供の健やかな成長
- 健康長寿
- 勝運
主祭神は素戔嗚尊(すさのおのみこと)、そして相殿神として**応神天皇(おうじんてんのう)**が祀られています。
また、本殿以外にも**末社(小さな御社)**があり、こちらにも神様が祀られているので、訪れた際にはぜひ忘れずにお参りしましょう。
願いを聞いてくれる御神木
富松神社には、参拝者の願いや悩みを聞いてくれる御神木があります。
拝殿の右側にひっそりと佇む、樹齢500年の大クスノキです。この木の洞(うろ)が耳の形に似ていることから、「願いや悩みを聞いてくれる」と言われるようになりました。
意識しないと通り過ぎてしまうほど自然に植えられていますので、ぜひ探してみてください。
訪れた際には、歴史とともに受け継がれてきた信仰や、人々の思いを感じながらお参りしてみてはいかがでしょうか?
きっと、心が穏やかになり、パワーをいただけるはずです。
アクセス
住所:〒661-0003 兵庫県尼崎市富松町2丁目23−1